初めに
突然ですが、みなさんは、タイムカプセルを作ったことはありますか。
令和の時代に、そんな文化もうないかもしれませんが、
自分はあります。
10歳の時、小学校のイベントで作った「20歳の自分へ」と書いたタイムカプセル。
21歳の時、大学の友人と「10年後に開ける」と約束して作ったタイムカプセル。
どちらも開封した瞬間は、記憶に残るものになりました。
タイムカプセルは、過去を振り返るものであり、同時に未来の自分に目を向けるものでもあります。
「10年後、20年後の自分は何をしているのだろう」
普段忙しい毎日を過ごしている現代人にとって、あまりに無意味な質問でしょうか。
「今を生きるので精一杯」
それが現実でしょうか。
自分も、海外で永住を目指すという選択を自分でとり、目先の問題に目を向けることで精一杯です。
10年後自分がどうしてるかなんて正直分かりません。
ですが、長期的にどんな人生を歩みたいかを考えることは、時には大切です。
自分の世代だと、投資や家の購入など数十年先を見越した行動をしている子も少なくありません。
先の人生について考える重要性は、みなさんも何となく気づいているのではないでしょうか。
そんなことを考えながら日本に一時帰国したある日、一人のおばあちゃんと出会いました。
そのおばあちゃんとの出会いが「数十年後の自分の姿」について考えるきっかけになったので、今回共有したいと思います。
この記事が、忙しい毎日を送るあなたの、コーヒーみたいな存在になれば幸いです。
おばあちゃんとの出会い
「大きい荷物持ってどこ行くの?」
これが、おばあちゃんとの出会いだった。
電車のホームで待っていた時、一人のおばあちゃんが自分に声をかけてきた。
推定65歳から70歳くらいの元気なおばあちゃんだった。
「これからオーストラリアの方に、、、」
電車が来るまでの約10分間。
そこからたわいもない話が始まった。
何か面白い話が聞ける。
そんな予感がした自分は、電車に乗ってからも、そのおばあちゃんの横に座り、会話を続けた。
約1時間の「鈍行電車withおばあちゃん」が幕を開けた。
数十年後の生き方
おばあちゃんはまさに、旅人だった。
仕事を定年後、日本国内、世界各地の”友人”に会いに行く旅人だった。
友人に会うという理由をつけて、世界中を旅しているらしかった。
またアートや教育の分野にも精通していて、しばし講演のためにあちこち回ることもあるとか。
オーストラリアにも親戚に会うために旅に出かける計画をしていると聞いて、自分よりよっぽどアクティブな方だと感じた。
定年してからが、一番あちこち回っているようだった。
本当に世の中には、元気のある方がたくさんいる。
そう思った。
自分の両親も数年前に定年を迎えた。
自分の両親は、あのおばあちゃんのようなアクティブさは全くない。
田舎でひそひそと暮らしている。
ただ、家にずっといるのは退屈なようで、結局仕事を探して、パートタイムの仕事をしているようだ。
そんなだから、ある日、
自分が、「オーストラリアの経験を生かして実家の近くでカフェをやる」
と宣言した時には、
「うちの畑の野菜使いな」
「私らも働かなあかんな」
と、かなり乗り気だった。
どうせパートタイムで働くなら、息子の職場で働きたいという想いだろうか。
「両親の老後の暇を解消する」と言う思わぬ親孝行が目標に加わってしまった。
コーヒーのように
結局、おばあちゃんとは、1時間以上話し、インスタを交換してバイバイをした。
あのおばあちゃんの年代になった時、自分は何をしているのだろう。
おばあちゃんと別れた後、電車に揺られながらそんなことを考えた。
よく、歳をとっても性格はあの頃のまま。
「お前って本当に昔から変わらんよなー」
なんてフレーズをよく耳にするが、そんなはずはない。
人は変わる生き物。
そう思う。
現に海外生活を始めた自分の価値観は、かなり変わった。
たまたま出会ったおばあちゃんと電車で話そうという好奇心もなければ、カフェをやるなんて目標も数年前まではなかった。
この記事を読んでいるあなたはどうだろう。
10年と言わず、1年前2年前の自分と今で、何か変化はあるだろうか。
きっとあるだろう。
過去を振り返り、未来を想像することで劇的に今の生活が変化することはない。
ただ、初心を思い出し、気持ちをリセットさせるきっかけにはなる。
ちょうど疲れた時に飲むコーヒーのように。
10代、20代と書いてきた10年後の自分へのメッセージ。
今からでも遅くない。
コーヒーでも飲みながら40代の自分へメッセージでも書くか。

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最後まで、ご精読ありがとうございました。
普段は、オーストラリアのメルボルンでクッカリーというカレッジ(料理の専門学校)に通っています。
海外生活のことを経験をもとに、記事にしています。
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Hiromu
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