Day11.12
小話
いきなりですが、自分がもし海外のカフェやレストランで働くとしたら、フロントジョブ(ウェイター、バリスタなど)かバックジョブ(キッチンなど)のどちらがいいですか。
英語話したいからフロントがいい。
英語苦手だから、バックに回るしかない。
など、いろいろ考えると思います。
海外ではなく、日本だとどうでしょうか。
言語の壁がないとしたら、どちらを選びますか。
そうなると接客が好きな人はフロント、料理が好きな人はバックみたいな感じになるかと思います。
性別で見ると一般的に、フロントは女性の方が多く、バックは男性の方が多いように思います。
これは、日本もオーストラリアも同じな気がします。
では、国籍で見るとどうでしょう。
移民大国のオーストラリアは、世界各国から移民者が集まり、生活しています。
国籍で見た時、オーストラリア飲食のフロントとバックの割合はどんなものでしょう。
今回は、そんなオーストラリア飲食における国籍の話をしようと思います。
クッカリーはアジア人だらけ
自分が通うクッカリー(料理学校)のクラスメイトは全員で18人いて、皆がアジア人。
ヨーロッパの白人みたいな人は一人もいない。
おそらく日本の留学エージェントから紹介されているのが理由かもしれないが、にしてもアジア人が多い。
移民大国ではなく、アジア大国なのか。
そんなことを思いながら、仕事探しのためオーストラリアのいろいろなカフェやレストランを回って気づいたこと。
結論、オーストラリア飲食における国籍は、フロントがヨーロッパやオーストラリア、バックがアジア、中東、南米にはっきり分かれている。
もっと言うと、格好を良くしてお店をキラビラやかに見せているのがヨーロッパ人やオーストラリア人で、裏のシェフの下で働く泥臭い仕事などしているのがアジア人、中東人、南米人と言うことだ。
その現実について、自分が思うことを話したい。
オーストラリア飲食の実態
まず、そもそもの話をすると、オーストラリア人に飲食業はあまり人気がない。
夜遅くまで働く必要があるし、肉体労働だからだ。
実際そうだし、日本でもその考えはある。
だからかオーストラリアにも関わらず、お店の中にオーストラリア人が一人もいないカフェやレストランは至る所にある。
アジア系移民者がオーナーをしているカフェなどは、特にそうで、学生やワーホリのアジア人しかスタッフしかいない。
当たり前のように聞こえるかもしれないが、日本に日本人が一人も働いていいない飲食店はどれくらいあるだろうか。
中華街などを除くと、ほとんどのお店に日本人が一人は絶対働いている。
スタッフ全てが外国人だと少し警戒してしまう人もいるのではないだろうか。
自分もとある餃子屋に行った時、日本人より外国人スタッフの方が多くてびっくりした記憶がある。
それくらい、日本だと稀のことだ。
でもオーストラリアでは、当たり前だし、それが移民大国と言われる所以でもある。
文字通り、移民者がオーストラリアの飲食営業を支えていると言える。
だから、そのことについては、特に不思議に思わない。
国籍による悲しい現実
ただ、いろいろなメルボルンのお店を見て思うのは、フロントとバックの国籍についてだ。
先ほど記載した通り、オーストラリア飲食では、フロントがヨーロッパやオーストラリア、バックはアジア、中東、南米にはっきり分かれている傾向にある。
つまり高級レストランを除くオーストラリアの大衆飲食(特にカフェ)のキッチンは、アジア・中東、南米からくる移民で成り立っていると言って過言ではない。
過去に、仕事探しをしている際、何十ものカフェを回ってキッチンの様子を見てきましたが、オーストラリア人のフロントスタッフは見ても、シェフは一人も出会ったことがない。
さらに、ヨーロッパ人でバックで働いている人も見たことがない。
もちろん、地中海レストランなどヨーロッパの料理を扱う高級なお店にはバックにもヨーロッパ人はたくさんいる。
しかし、気軽に入れるカフェレストランのような場所のバックには、オーストラリア人、ヨーロッパ人はまず働いていない。
彼らは揃いも揃って、フロントの仕事をしている。
この現実を目の当たりにした時、自分はすごく虚しい気持ちになった。
なぜか。
フロントスタッフが楽しく談笑している中、黙々とバックで皿洗いをしているアジア人を何人も見てきた。(自分もそうだ)
言語の壁で、仕方なくバックで働き、ロボットのように言われたことだけをこなす中東人を何人も見てきた。
そして、そういった人たちは皆、おそらく最低賃金スレスレ。
一見おしゃれで綺麗なカフェやレストランは、そういった肩身の狭い海外労働者の上に成り立っていると最近感じる。
やはり、黄色人は、白人の下で働く運命なのか。
そんなことを思わずにはいられない。
もちろん、これはかなり尖った偏見のある考えかもしれない。
英語が母国語の国で、ヨーロッパの方が接客が向いている。
カフェのキッチンは求められるスキルがそこまで高くないため、誰でも働きやすい。
などはっきり分かれる仕方のない理由はある。
また、白人とキッチンで一緒に働く黄色人や黒人もたくさん見てきた。
けれども、ここまで顕著にフロントとバックで国籍が分かれているのを見ると、同じ人間なのに、生まれた環境でこうも人生が違うのかとつくづく感じる。
日本で生活していた時は、微塵も感じたことがなかったが、オーストラリアにきて人種・国籍による生き方の違いを肌で感じる今日この頃である。
日本は本当に恵まれた国だ。
ただそれは、異国に出ると関係ない。
シェフとして経験なしから異国で生き抜くということは、色々な意味で困難な道のり。
そんな当たり前を改めて思ったweek6だった。
残り4週間で2週間のホリデー。
2年ぶりに日本に帰ります。
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最後まで、ご清覧ありがとうございました。
このようにオーストラリアの学生ビザを考えている方に向けて、メルボルンでのクッカリーに通う様子をVlogが横行する今、あえて活字で伝えています。
クッカリーDay1の様子は、こちらにまとめています。
では、また。
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