「You are the s **ttest head chef」
最近、職場の同僚に言われた一言。
直訳で、お前はクソ野郎の最上級ヘッドシェフ。
職場の会話の民度が知れる、笑っちゃうくらい下品な言葉だ。
日本語で「クソ野郎」なんて人生で言われたことないし、その「最上級のクソさ」なんて、どんだけひどいんだよという感じだが、まあ英語だとよくある表現な気もする。
とにかく一般的に、あんまりもらって嬉しくない言葉を同僚からくらった。
ただ、自分の中で、s **ttest よりも、head chefと言われたことがすごく引っかかった。
ちょうど、大学で後輩から初めて、先輩と呼ばれた時のように。
学校の教諭になって、子供たちから初めて、先生と呼ばれた時のように。
すごくひっかかった。
これを読んでいるあなたも、〇〇さんや〇〇くん以外に、言われてはっとした表現の一つや二つくらいあるのではないか。
その時の気持ちを少し考えてほしい。
どう感じただろう。
とにかく今回は、この同僚にhead chefと言われたことに対して考えたことを共有したいと思う。
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蛇足だが、キッチン界隈の英語(シェフ同士の会話)は、かなり汚い(独断)。
男が多いし、お客さんを相手するわけではないから、まあ仕方ない。
今でも覚えているのが、自分が不安定なところに食材をおこうとしたら、シェフから「NO, s**t hits the fan」と言われた。
s**t hits the fan(う◯こがファンに当たる!?)
どえらいことが起こるという歴とした英語のイディオムだと後から知ったが、最初聞いた時は、なんて汚い言葉をこのシェフは使うんだと思った。
ただ、う○こが換気扇や扇風機に当たったことを想像して欲しい。
確かにどえらいことなので、意味としては、納得すぎる。
自分の絶対使わないけど、2度と忘れないであろうイディオムの一つだ。
日本語でう◯こを使ったことわざとか聞いたことなし、英語は面白いなーと改めて思ったという蛇足話。
自分は何者なのか
話を戻して、あなたは自分が”何者”なのかということを考えたことがあるだろうか。
だいぶ前に、浅井リョウ原作の「何者」という映画があった。
確か、就職期の大学生を描いた映画だった。
大学生とは、学生と社会人の狭間で生きる、何者かになろうとしている典型的な存在だろう。
またある日、Youtubeを見ているとBreaking downで有名なこめおが「自分は、何者かにはなれた。」というコメントをしていた。
何者かになるということは、何かに成功し、肩書きを手に入れるということなのかもしれない。
別に成功していなくても、子供ができて親になったり、就職して会社員になったりすることも何者かになれたと言えるだろう。
ワーホリは何者なのか
では、ワーホリはどうなのか。
ワーホリとは、一体何者なのか。
人によってその解釈はいろいろだと思うし、それを否定するつもりはないが、個人的にワーホリを2年間経験した上で感じたのは、ワーホリは、所詮”何者でもない”ということだ。
何をしても自由という状況は、ある意味で何者でもない。
振り返るとそう思う。
そして、自分が何者でもないと感じた時、人は、何者かになりたいと強く思う。
そして、何者かであった自分をふと羨ましく思う。
自分は大学を卒業してから、教員をしていた。
辛い仕事だったが、それなりに頑張ってやっていたし、何者かではあったと今は思える。
歳をとるにつれ、周りが何者かになっていくにつれ、何者でもない自分に焦りを感じる。
そんな時期もあった。
何者なのかは、誰が決めることなのか
そんな時のs **ttest head chefだった。
教員を辞め、シェフとしてオーストラリアで永住を目指そうと決め、1年と少しがたった。
と言っても、スキルも経験もまだまだな自分が、シェフと名乗るなんて烏滸がましい。
そんなふうに思っていた。
自分は、まだ何者でもない。
そう思っていた。
ただ、自分がそう思っているだけで、周りはそうは思っていない。
自分の立場や行動を見たときに、その同僚にとって自分は、シェフだったのだろう。
何者でもなかったワーホリを終え、今、気づけばまた、知らないうちに、何者かになろうとしていた。
何者かになりたいと思いながら、とにかく毎日を生きていたら、周りはすでに自分を何者として見ていた。
何者かになるということは所詮、そんなものだろう。
肩書きのないことに焦りを感じることは一切ない。
そんなもの後から自然とついてくる。
今はそう思う。
ただ、周りが認めても、自分が認めなければ、それはまだ何者でもないとも思う。
同じ何者でも、雲泥の差がある世界。
自分に厳しくしないと意味がない。
「何者かにはなれた。」
こめおくんみたいに自分でそう言える時まで。
やれるだけやってみよう。
そんなことを思った、今日この頃。
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自分と同じように、自分をまだ何者でもないと思うそこのあなた。
これからを一緒に楽んで行こう。

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